キーワード解説「ら」

これまでの日本語教育能力検定試験に出題されたキーワードを、随時解説していきます。知識の補完・整理にご活用ください。

ら抜き言葉(らぬきことば)

「見れる」「食べれる」のように本来の形(「見られる」「食べられる」)から「ら」が抜けた可能動詞(動詞の可能形)。

この「ら抜き言葉」を正用とするか誤用とするかは、それぞれの学問分野によって違うようです。

例えば、日本語文法の世界では、一段動詞(と不規則動詞「来る」)に五段動詞の活用ルールを適用してしまったために起こった「誤用」とされるのが一般的です。下の例で確認しましょう。

  1. 一段動詞の活用ルール( ru → rareru )例)見る( mi-ru )→見られる( mi-rareru )
  2. 五段動詞の活用ルール( u → eru )例)書く( kak-u )→書ける( kak-eru )
  3. 「ら抜き言葉」の場合例)見る( mir-u ?)→見れる( mir-eru? )

つまり、「ら抜き言葉」はルール違反だというわけです。
一方、社会言語学の世界では、従来の可能動詞(動詞の可能形)も「ら抜き言葉」も正用と認められています。前者を保守的可能形、後者を革新的可能形と呼びます。

つまり、生きた言語の動的変化の一側面ととらえるわけです。実際、かつては「誤用」とされていたものが次第に定着し、「正用」となった例は少なくありません。

何をもって正しい日本語とするかは、なかなか興味深い問題です。


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