「ふんわり学習」になっていないか。

先月実施した、

篠研企画 臼井智美セミナー

 「日本語指導が必要な児童生徒に対する
  日本語教育
  -小中高で指導する前に知っておくと
   助かること-」

で得た気づき。

まず、先週、外国人児童生徒に対する日本語
教育についてお話しいただいた臼井智美先生
について、簡単にご紹介しますと、

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大阪教育大学大学院連合教職実践研究科
准教授。

専門は学校経営学、外国人児童生徒教育、
教師教育。

外国にルーツのある子どもが在籍する学校の
教職員や教育行政関係者に対して、指導体制
の構築や授業づくりに関する研修や助言を行っ
ている。

教科指導と日本語指導を同時に行う教科指導
型日本語指導の方法を開発し、外国にルーツ
のある子どもの在籍学級での教科の学びを助
ける実践を広めてきている。

また、国際交流協会等と連携して、子どもの
日本語指導を担う市民ボランティアの育成に
も携わっている。

主な著書:

『イチからはじめる外国人の子どもの教育』
 教育開発研究所
 https://amzn.to/3ejTpjC

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元々学校教育サイドからご研究をなさって
いる先生なんですね。

ここで注目すべきは、臼井先生が提唱して
いる「教科指導型日本語指導」。

これは、日本語教育でも最近注目されている
CLIL(内容言語統合型学習)に非常に近い指
導法で、

教科の授業をしながら、その都度出てくる
専門用語の定義を、外国人児童生徒にもわ
かるように丁寧に提示していくというもの。

臼井先生曰く、

「外国人児童生徒の学習遅滞の大きな原因
 は、

 それぞれの教科に出てくる用語の正確な
 定義が頭に入っていないことです。

 例えば、三角形の面積を求める際に、
 「底辺」「高さ」「頂点」の正確な理解が
 必要ですが、

 面積が求められない児童は、まずもって
 これらの用語の意味が分かっていない。

 三角形の図が少し傾くと、もうどれが底辺
 かわからなくなるんです。

 『先生、この三角形には底辺がない。』

 なんて言い出すんです。」

なるほど!

さらに曰く、

「このことは、外国人児童生徒に限ったこと
 ではなく、日本人児童生徒にも言えること
 です。

 近年、日本人児童生徒の学力低下が叫ばれて
 いますが、

 その大きな原因は、授業の中で用語の定義を
 しっかり教えていないから。

 教師にとっては、あまりにも当たり前すぎる
 ことなので、うっかり説明を素通りしてしま
 うんですね。

 そうして、きちっとした知識の提示がなされ
 ないまま、なんとなく授業が進んでしまう。

 私はこれを『ふんわり学習』と言っています。

 これでは、本当の学力は身につきません。

 何となくの印象で勉強しているからです。

 その時は、なんとなくわかったような気がす
 るのですが、

 しばらくたってテストをするとまったく歯が
 立たない。

 しっかりした厳密な用語の知識が身について
 いないからです。」

いかがですか。

皆さん、耳が痛くありませんか?

専門用語の定義、しっかり押さえながら
勉強していますか。

何となくわかった気になっているだけの
「ふんわり学習」


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