キーワード解説「ふ」

これまでの日本語教育能力検定試験に出題されたキーワードを、随時解説していきます。知識の補完・整理にご活用ください。

負の言語転移(ふのげんごてんい)

第一言語が第二言語習得に悪影響を与える​現象。母語干渉とも。

実際、学習者の誤用の中には、母語の影響と思われるものが多くあります。具体的には以下の通りです。((  )内がその原因を表わす。)

(1)中国人学習者の誤用例
・助詞の習得が非常に困難。(中国語には助詞が少ないため。)
・発音が総じて不安定。(中国語が声調言語のため。)
・清音と濁音の区別ができない。
(中国語に有声音-無声音の対立が日本語ほど明確ではないため。)

(2)韓国人学習者の誤用例
・「つ」「ず」が言えず「ちゅ」「じゅ」になってしまう。
 (韓国語に[ts][z]の音がないため。)
・発音が尻上がりになってしまう。
 (韓国語のイントネーションが尻上がり体系であるため。)
・清音と濁音の区別が難しい。​
 (​韓国語に有声音-無声音の対立が日本語ほど明確ではないため。)

(3)英語圏学習者の誤用例
・漢字がなかなか覚えられない。(英語に漢字がないため。)
・「電話連絡」が「レンワデンラク」になってしまう。
 (英語の発音方法が日本語と異なるため。)
・「おばさん」と「おばあさん」の区別ができない。
 (英語は拍がなく、長音の有無が言葉の意味に関係しないため。)


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