会話活動を促進する環境作り(1)-席替え-(全)

レベル:全
活動内容:会話活動
準備物:特になし

授業活動

会話活動をする前に、阿弥陀くじ等でペアを組ませる。これを授業のたびに実施する。

手順
1.Tは黒板に学習者の数だけ縦線を引き、その縦線の下側に、数字を2つずつ書いておく。
2.縦線の上側に学習者自身で名前を書かせる。
3.Tは横線を書き入れ、阿弥陀くじを作る。
4.くじをたどりながらペアを決め、席替えする。

ポイント

学習者の興味のある話題を取り上げても、活発な会話活動につながらない。あるいはインフォメーションギャップのあるタスクを用意しても、どういう訳か、あっという間に白けた雰囲気になってしまう。会話の授業にありがちな光景です。

授業の設計そのものは特に問題ないのに、活発な活動が展開できない。こんなとき、その原因として学習者の固定化された席が考えられます。

学習者はいったん自分の席が決まると、なかなか変えようとはしません。(あるいは、それを禁じている教育機関もあるでしょう。)そうすると、授業ではいつもほぼ決まった相手と活動をすることになります。

その結果、相手との相互理解が進み、いちいち言葉を交わさなくてもわかりあえる仲になります。このような高コンテキスト環境下で活発な会話活動を展開するのは、非常に難しい。

そこで、会話活動を実施する際に大切なのは「意図的に低コンテキスト環境を作る。」ということです。席替えは低コンテキスト環境を作る、実にお手軽な方法なのです。

席替えを会話活動の度に実施し、意図的に低コンテキスト環境を作ることによって、学習者は常に言葉によるコミュニケーションを行わざるを得ず、結果、活発な会話活動につながります。

また、今まで話したことのないクラスメート(これが意外に多い!)と話す機会も増え、クラス全体の雰囲気の改善や連帯意識の向上なども期待できます。まさに一石二鳥、というわけです。