キーワード解説「し」

これまでの日本語教育能力検定試験に出題されたキーワードを、随時解説していきます。知識の補完・整理にご活用ください。

受動文(じゅどうぶん)

ヴォイス(態)の一種。動詞の受け身(形)(例:「書く」→「書かれる」、「食べる」→「食べられる」)を用いながら、ある事態について行為の受け手に焦点を当てて表した文。「受け身文」とも言う。

動詞の受け身(形)の作り方は、以下の通りです。

  ルール
五段動詞
(1グループ)
 「-u」→「-areru」
 例:「書く(kak-u)」→「書かれる(kak-areru)」
 一段動詞
(2グループ)
 「-ru」→「-rareru」
  例:「食べる(tabe-ru)」→「食べられる(tabe-rareru)」
不規則動詞
(3グループ)
 「する」→「される」
 「来る」→「来られる」

この受動文は、大きく「直接受動文」と「間接受動文」に分けられます。

 直接受動文とは、構文的に対応する能動文を持つ受動文のことで、例えば下のような受動文がこれにあたります。

(1)山田は田中に殴られた。

 このように、通常受動文の主語は有情物であることが原則ですが、例外的なものとして(2)のような「非情の受け身」(主語が非情物の直接受け身)という受動文もあります。

(2)来週、スポーツ大会が開かれる。

 また、間接受動文とは、構文的に対応する能動文を持たない受動文のことで、例えば下のような受動文がこれにあたります。

(3)昨日、帰り道に雨に降られた。

 このように、通常間接受動文は、主語がある事態によって間接的に迷惑を被ることを表現するので、別名「迷惑の受身」とも呼ばれています。

 さらに、間接受動文の特殊なタイプとして、主語の一部分あるいは持ち物がある行為を受けることによってその持ち主である主語が間接的に迷惑を被ったことを表す「持ち主の受身」という受動文があります。

(4)私は、昨日電車の中で足を踏まれた。(一部分)
(5)私は、昨日電車の中で財布を盗まれた。(持ち物)

 特に「持ち主の受身」では、下のように直接受動文で表現してしまう誤用(日本人でもちょいちょいいるけど…)が見られるので注意が必要です。

(6)昨日、電車の中で私の財布を盗まれた。 


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